血液・造血器疾患の総論
  


(1)血液・造血器疾患は、医学研究の進歩によって、診断、治療法が特に著しく変化し
   つつある。したがって、血液・造血器疾患の分類は、研究者の見解によって多少
   異なる分類法がなされている。


(2)血液・造血器疾患の主要症状としては、顔面蒼白、易疲労感、動悸、息切れ、頭痛、
   めまい、知覚異常、出血傾向、骨痛、関節痛等の自覚症状、発熱、黄疸、心雑音、
   舌の異常、感染、出血斑、リンパ節腫大、血栓等の他覚所見がある。


(3)検査成績としては、血液一般検査、血液生化学検査、免疫学的検査、鉄代謝検査、
   骨髄穿刺、血液ガス分析、超音波検査、リンパ節生検、骨髄生検、凝固系検査、
   染色体分析、遺伝子分析、骨シンチグラム等がある。


(4)血液一般検査での検査項目及び異常値の一部を示すと次のとおりである。
検査項目 単位 異常値
軽 度 中 等 度 高 度
以上~未満 以上~未満
末梢
血液
ヘモグロビン濃度 g/dl 9~10 7~9 7未満
赤血球数 万/μl 300~350 200~300 200未満
白血球数 個/μl 2,000~4,000 000~2000 1,000未満
顆粒球数 個/μl 000~2,000 500~1,000 500未満
リンパ球数 個/μl 600~1,000 300~600 300未満
血小板数 万/μl 5~10 2~5 2未満
骨髄 有核細胞 万/μl 5~10 2~5 2未満
巨核球数 /μl 30~50 15~30 15未満
リンパ球 20~40 40~60 60以上
出血時間
(Duke法)
6~8 8~10 10 以上
APTT
(基準値)
基準値の
1.5倍~2倍
基準値の
2倍~3倍
基準値の
3倍以上


(5)個別の各疾患に用いる検査法は、それぞれ異なっており、さらに、前記(4)に示した検査
   項目の他にも免疫学的検査を中心にした様々な特殊検査があり、診断、治療法は日々
   進歩している。さらに、血液・造血器疾患の病態は、各疾患による差異に加え、個人差
   も大きく現れ、病態も様々である。
   したがって、検査成績のみをもって障害の程度を認定することなく、認定時の具体的な
   日常生活状況等を把握して、総合的に認定する。


(6)検査成績は、その性質上変動しやすいものであるので、血液・造血器疾患による障害の
   程度の判定に当たっては、最も適切に病状をあらわしていると思われる検査成績に基づ
   いて行うものとする。


(7)急性転化では、その発症の頻度、寛解に至るまでの経過を参考にして認定する。


(8)血液・造血器疾患は、一般検査、特殊検査の検査成績等を参考とし、認定時の具体的
    な日常生活状況等を把握して、総合的に認定する。








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