肺動脈性肺高血圧症は、障害年金では「心臓(循環器)疾患」として扱われます。一度、発症すると呼吸困難、息切れ、咳、痰、動悸、チアノーゼなどさまざまな症状が出現し、日常生活が大きく制限されることから、投薬後の状態が良好な場合をのぞき、多くの方が2級に認定されています。
肺高血圧症と病名がついた時点で、2級または3級に認定される可能性があると判断できます。肺高血圧症は、重篤な状態におちいりやすく、ほとんどの方が医師から自宅での安静を指示されます。一人での外出が困難となり、家族のサポートなしでは暮らしていけません。そういう意味から、障害年金の制度で評価されやすい病気といえます。
手続きを進めるさいに、まず気をつけたいのが、診断書。動悸、呼吸困難、息切れ、咳、痰、失神など、診断書の自覚症状に列挙された症状に少しでも該当する場合は、医師と相談し、○をつけてもらいましょう。ここが抜けると評価が下がってしまいますので注意しなければなりません。
また、在宅酸素を導入している場合は、必ず記入してもらいましょう。障害年金の診断書は、一般的な心臓疾患用に作られているため在宅酸素について記入するためのスペースがありません。しかし、在宅酸素を導入しているという事実だけで3級の力がありますので、「その他の所見」「備考欄」など、
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どこでも結構ですので、在宅酸素導入について書き込んでもらってください。
またヒックマンカテーテルを植え込んでいる場合は、診断書表面の「手術歴」、裏面の「その他の循環器疾患」の欄に記入してもらいましょう。このように抜けを一つでも減らし、障害の状態をきちんと伝えることが2級に近づく確実な方法です。
発病から現在までの流れを自分で書くのが病歴状況申立書です。この書類も審査の参考となりますので重要です。コツがつかめないとなかなか書き進められないと思いますが、基本的には病気の経緯と、肺高血圧症によりもたらされる障害(呼吸困難、息切れ、動悸、咳、痰など)について書かれていればOKです。
また入院歴、手術歴がある場合は、必ず記入しなければなりません。心臓疾患に関わらず、障害年金の審査では、入院歴、手術歴が評価されやすい傾向にあります。肺高血圧症においても審査のプラス要素となる可能性が十分にありますので、いつ入院し、手術を受けたかを書き込んでください。
遡及請求する場合は、現在の症状だけでなく、障害認定日時の症状についても記入が必要です。
障害認定日時と現在の両方について、悪い状態であることが認められて初めて遡及が認められますので、その点も注意してください。
◆肺動脈性肺高血圧症と障害年金の関係 |
投薬後も病状不良→障害年金2級の可能性が!
投薬後は病状良好→障害年金3級の可能性が! |
※肺高血圧症の場合、多くのケースで 2級となりますが、投薬後の病状が 安定している場合は3級になるケースも増えてきています。
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