糖尿病により腎不全となり人工透析を行うこととなった方が注意しなければならないのは初診日です。障害年金の制度では、腎疾患と糖尿病は相当因果関係があると考えており、腎臓の異常を指摘される前に糖尿病で医師の診断を受けた場合は、糖尿病の初診日を腎臓疾患における初診日としています。
この糖尿病の初診日に加入していた年金制度によって、厚生年金で申請できるか、国民年金で申請できるかが決まりますから、まずはそこから調べてみることから手続きをスタートさせましょう。
前述したように糖尿病による腎不全の場合、初診日が特定できるかどうかが合否を分けます。初診日が5年以上前にあると初診日の医証がとれない場合もありますが、そのときは客観的資料によって証明していくなど他の方法がありますので、すぐにあきらめないことが大切です。
ただ、やっかいなことが一つあります。糖尿病で受診するよりも早くに健康診断で尿糖や高血糖が指摘さていると、健康診断を受けた日が初診日になる可能性があることです。また糖尿病の指摘の前に網膜症などで眼科を受診していると眼科受診が初診日となることもあります。
このように糖尿病による腎不全は、初診日の特定が非常に
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難しく、初診日を間違えたまま申請してしまう人も少なくありません。審査では初診日に間違えがある場合、書類を受け付けませんので、後々に返戻されたり、照会を受けて決定が大幅に遅れたりします。
初診日が特定できたら、病歴状況申立書の作成に入りましょう。病歴状況等申立書は診断書とともに審査の判断材料として使われます。とくに初診日の医証がとれずに客観的資料を添付して申請している場合は、病歴の発病から現在までの流れを細かくチェックされます。
また、一つでも不備があると、返戻されて書き直すように言われますので、適当に済ますのではなく、自分の病院を丁寧に書き入れましょう。注意点は、書き始めを腎臓ではなく糖尿病にすること、受診歴に抜けがないこと、受診していない期間も書き入れること・・・です。
この他、年金請求書、生計維持証明書、扶養家族にかかる申出書といった通常の書類の他に、糖尿病による腎臓不全の場合、「糖尿病用アンケート」「腎臓用アンケート」など複数の書類が求められます。他の障害と比べ、提出書類が多く、手続きが煩雑になりがちですが、ここを超えないと受給にたどりつきませんので、一つ一つの書類を丁寧に作成し、不当な評価を受けないよう心がけることが大切です。
◆人工透析と障害年金の関係 |
人工透析+経過良好→障害年金2級になる!
人工透析+経過不良→障害年金1級の可能性も!
人工透析+別障害→障害年金1級の可能性も! |
※検査成績(クレアチニンなどの数値)が一定の基準を超え、日常生活に
制限を強いられていた場合は、人工透析を施行していなくても1〜3級
に認定されます。 |
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