心臓には大動脈弁、僧帽弁、三尖弁、肺動脈弁の4つの弁が存在します。そのうち一つでも人工弁に置き換えれば3級になります。人工弁を装着したにも関わらず状態が悪い場合は2級または1級です。4つの弁をすべて人工弁にしても経過が良好な場合は3級のままですが、人工弁を装着していなくても状態が悪ければ2級や1級となります。以上のように人工弁装着は3級を約束するものではありますが、それ以上の評価はありません。2級、1級といった上位等級については、人工弁装着の有無は関係なく、病状の悪さが優先されます。
心臓疾患の場合、「初診日」を確定することから手続きを始めましょう。初診日が厚生年金加入中であれば3級でも受給できるため人工弁を装着された方は、みなさん障害年金が申請できます。
初診日が国民年金加入中の場合、2級以上でないと受給できません。
人工弁だけでは該当しませんので、検査所見(数値)、自覚症状(呼吸困難、動悸など)、他覚所見(浮腫、器質的雑音など)に異常があることが必須となります。病状としては、長期にわたる安静が必要で、活動範囲がおおむね家屋内に限られる人を2級としています。
2級を取るためには、2級に見合った準備が必要で
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す。なかでも診断書のチェックは慎重に行わなければなりません。不備があると評価が下がり、2級以上に認定されるのは困難となるからです。
心電図やEF値といった医学的な数値はわからなくても、自覚症状、他覚所見、日常生活能力など、一般の方でもチェックできるところはたくさんあります。
自分の症状がきちんと反映されているかを必ず確認し、反映されていない場合は医師に相談し訂正いただいた上で申請するようにしましょう。
また病歴状況申立書も軽視してはいけません。入退院を繰り返しているなら必ず書き入れましょう。
症状が複数あるなら、すべて書き込みたいですし、行動に制限がある場合は何ができないかを記入しなければなりません。
ハードルが高い2級だからこそ、書類の細部まで気をつかい、できる限りのことをやってみる…、それが認定してもらうための一番の近道といえます。
心臓疾患で遡及請求するための条件は、初診日が確定できていること、障害認定日時に3級以上(国民年金の場合2級以上)に該当していることです。
たとえば自宅や会社で突然倒れ、病院に運ばれたら人工弁の装着を指示された…というケースは、初診日から障害認定日までの期間が短く、さらに障害認定日に3級以上にあることが確定していますので遡及請求しやすい例といえます。
遡及をすれば初回に大きな額が入ってきますので、可能性がある方はチャレンジしてみることをおすすめします。
◆人工弁疾患と障害年金の関係 |
人工弁+経過良好→障害年金3級になる!
人工弁+経過不良→障害年金2級の可能性が! |
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