ブルガダ症候群は、突然の心室細動により心肺停止し、失神したり、時に死にみまわれることもある原因不明の病気です。ふだんは動悸、息切れといった心臓病特有の症状はみられませんが、いったん発作が起こると生命が危険にさらされるため、多くの方はICD(植込み型除細動器)移植術を受けます。障害年金では、このICD(植込み型除細動器)移植術を受けた場合、3級に認定されます。
手続きを始めるさいは、他の心臓病と同様、初診日の特定から行わなければなりません。ICDの移植後すぐに申請する場合は初診日証明がとれないという心配はほとんどありませんが、障害年金の申請を先延ばしにしていると、当時のカルテが破棄されてしまうことがあり、初診日証明がとれずに客観的資料で初診日を証明していかなくてはならない場合があります。
またブルガダ症候群は、多くのケースで遡及請求が可能です。障害認定日がICD移植術を受けた日(ただし、初診日から1年6か月後に移植した場合は、1年6か月後が障害認定日)となりますので、ほとんどの方が障害認定日時に3級に該当しています。
初診日さえ証明できれば、申請が遅れた場合でも遡及請求
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で過去分を取り戻せますので、該当する方は、遡及請求にて申請することをおすすめします。
ブルガダ症候群の場合、発作がないときは病状が安定しているため1級、2級に認定されることはほとんどありません。ただ例外があります。心肺停止による蘇生後脳症により身体や精神に重い障害を残したケースです。
たとえば精神障害(認知症、高次脳機能障害など)が残った場合は「精神障害」として、肢体・体幹機能に障害が残った場合は「肢体障害」として障害年金が申請でき、これらの障害と心臓障害を併合して等級が決められます。
蘇生後脳症による障害がある場合は、それぞれの障害について診断書や病歴状況申立書を用意するなど手続きは複雑になりますが、3級よりもさらに上の等級が目指せますのでチャレンジしてみてはどうかと思います。
診断書に不備があると審査で不利益な扱いをされてしまう可能性があることは他の心臓病と同じです。ICD移植により3級が確定しているとはいえ、診断書がきちんと書かれていないと万が一の不支給も考えられますので、初診日、手術歴、ICD移植の有無の欄に不備がないかを必ずチェックしてください。また病歴状況等申立書もいい加減に書くのではなく、自分の病気の流れを発病から現在にわたって丁寧に書いていくことを心がけましょう。
◆人工弁疾患と障害年金の関係 |
ICD+経過良好→障害年金3級になる!
ICD+経過不良→障害年金2級の可能性が! |
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