人工透析につながる代表的な病気として知られているのが腎炎です。障害年金の制度では、この腎炎により人工透析にいたった場合は、両者の期間が相当長くても、因果関係があるものとして扱い、腎炎で初めて医師の診断を受けた日を初診日としています。ここでいう腎炎には、糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、IgA腎症、腎盂腎炎などがあげられ、その初診日によって厚生年金、国民年金、共済年金のいずれの制度で請求できるかが決まります。
※糖尿病による人工透析はこちら→
多発性嚢胞腎の人工透析はこちら→
障害年金の手続きをスタートさせるときは、初診日を特定することから始めたいものです。前述したように初診日は、腎炎として初めて医師の診断を受けた日となりますが、その前に健康診断で尿たんぱくなどが指摘されたときは、健康診断を受けた日が初診日となることがありますので注意が必要です。
また初診日がかなり昔にある場合は、初診日の医証がとれないことがあります。初診日の医証がとれない場合は、他の方法で初診日を証明しなければなりません。これをしないまま申請してしまうと、初診日が特定できないことを理由に不支給とされてしまいますので、軽く考えずに、初診日の特定に力を入れるようにしましょう。
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このように、腎炎により人工透析を始めた方は、初診日 の特定ひとつとっても複雑です。また申請書類も、年金請求書、病歴状況申立書、腎臓の病気用アンケート、診断書、受診状況等証明書、健康診断の結果・・・など多岐にわたります。しかし、こうした書類を一つ一つ丁寧に整えていけば、確実に受給に近づきますので頑張って進めていってください。
申請書類のなかでも重要なのは、診断書と病歴状況申立書です。診断書については医師に書いてもらうものですが、内容に不備があると不利益を被りますので、不当な評価を避けるためにも、記入ミスがないか、抜けがないかを確認しておきましょう。
一方、病歴状況申立書は、役所からもらった様式に、発病から現在の病気の流れを自分で書いていきます。受診した期間だけでなく、受診していない期間についても記入しないと有効とされません。病歴に抜けがあると返戻の対象となりますので、適当に済ますのではなく、丁寧に自分の病気の経緯を書いていきましょう。
なお、初診日の医証がとれずに客観的資料で初診日を証明する場合は、病歴状況申立書の流れが非常に重要となります。内容が客観的資料と整合するよう注意しながら書き進めていってください。
◆人工透析と障害年金の関係 |
人工透析+経過良好→障害年金2級になる!
人工透析+経過不良→障害年金1級の可能性も!
人工透析+別障害→障害年金1級の可能性も! |
※検査成績(クレアチニンなどの数値)が一定の基準を超え、日常生活に
制限を強いられていた場合は、人工透析を施行していなくても1〜3級
に認定されます。 |
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