脳性麻痺は、出生前後に脳が損傷して起こる運動障害として知られています。障害が出る部位は人によって違い、四肢におよぶ場合、左右どちらか半身のみが侵される場合、両足の運動機能のみが低下する場合、難聴など他の病気を併発する場合などがあります。
手続上、注意したいのは、脳性麻痺は障害年金の制度では、先天性(生まれながら)の病気であると判断されることです。したがって初診日が大人にあったとしても厚生年金では申請できず、国民年金(20歳前傷病)で申請することになります。
初診日がかなり昔にあり、カルテが破棄されているなどの理由から初診日の証明がとれない場合は、診察券や第三者の証明書などを集めて請求するといいでしょう。このような客観的資料で初診日が認められたケースは多々あります。
初診日の特定ができましたら、次は医師に診断書を依頼します。1級または2級でないと障害年金が受給できないため慎重に行いたいものです。
注意したいのは、診断書裏面の日常生活動作の項目。この
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スペースは、つまむ、握る、座る、歩く…といった日常生活動作がどれだけ制限されているかを書き込むスペースです。判定方法は「補助用具を使用しないで状態」で行いますが、補助用具を使用した状態で判定してしまう医師が意外と多いので、診断書を依頼するときは、この部分について判定方法を医師と確認するなど、何らかの対策を講じたいものです。
病歴状況申立書では、発病から現在までの受診歴や病気の経過を本人が書きます。脳性麻痺の場合、先天性の病気であるため、生まれたときから内容をスタートさせなければなりません。たとえば…
「出生時は難産であったが、とくに身体に問題はなかった。その後、なかなか立ち上がれず、2歳のときにようやく立ったが歩くと転倒してばかりいた…」といった具合です。
また病歴状況申立書は、内容に抜けがあると審査に通りません。内容とは現在までの病気の流れのことですが、過去の受診歴だけでなく、受診していない期間についても書かないと有効とされませんので注意してください。
初めてだとなかなか書き進めていけないものですが、記憶の範囲でかまいませんので、病気の流れに漏れが出ないよう丁寧に内容を仕上げていってください。なお、病歴状況申立書も障害の状態を判定するさいの参考資料として使われます。
◆身体障害者手帳と障害年金の関係 |
手帳1級→障害年金1級または2級の可能性が!
手帳2級→障害年金2級の可能性が!
手帳3級→障害年金2級または3級の可能性が! |
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